阪大生の視点で司馬遼太郎の世界を表現する映像コンテストが開催

 大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)出身の作家・司馬遼太郎の業績をしのぶ「司馬遼太郎記念学術講演会」が、10月14日(土曜日)、大阪大学箕面キャンパスで開催されました。
 今年は、作家の佐藤賢一さんによる講演会のほか、大阪大学の学生が映像を制作する短編映像コンテスト「阪大生、街道をゆく」も行われました。これは、司馬遼太郎による紀行文集「街道をゆく」にならい、普段生活している地域の道や、慣れ親しんだ道などを撮影した作品を作り、会場で投票を行う企画です。
 4作品の中から最優秀作品に選ばれたのは、大阪市北区中崎の街並みを撮影した小倉亮さんの「Nostalgic Labyrinth」です。小倉さんは「何度も訪れたことがある場所で、迷路のような道がたくさんあるところが魅力」と紹介していました。題名は、最近のレトロブームもあることから、Nostalgic(ノスタルジック)とLabyrinth(迷路)を組み合わせたそうです。
 小倉さんは「都市開発が進み、中崎のような場所も減ってきています。新しいものもいいですが、古いものの良さも忘れずに暮らしていきたいです」と話していました。
 コンテストの後、「歴史小説―どこから来たか、どこへ行くのか―」と題した佐藤さんによる講演会と、同大学人文学研究科准教授 宮下遼さんとの対談もあり「過去の日本を描くジャンルである歴史小説を通して、昔の日本を知ることを、現代人が求めているのではないか」といった内容を話していました。
 大阪大学総長 西尾章治郎さんは「講演、受賞作品含め、過去を思い出し、ほっとするようなキーワードが多かったことが印象深かった」と話し、会を締めくくりました。 

場所:大阪大学箕面キャンパス
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